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9月26日に行われた発達障害の理解講座での質問への回答を掲載致します。
※回答は同じような質問にまとめて回答する形になっています。また、講師個人の見解によるものであり、必ずしもその通りというわけではないので、ご了承ください。
5才の息子さんの認知にもよりますが、反射的に手が出る場合や、その前後の背景に対して本人なりの「理由」があって手が出ている場合があります。
物事が全く理解出来ない頃、うちの息子も起き上がる赤ちゃんを何度も突き飛ばしたり、鋭利なものを持って。というような事がありましたが、認知力が乏しい時に気をつけていたのは、すべて、叱られ慣れをしてしまうと、叱られている意味や事の度合いがわからなくなる場合があります。
発達系の子は、常に問題行動があるので、「ダメ」を言われ続けている場合が多いからです。
担当医が私に教えてくださったのは、生命に関わるような大きな事は、しっかり叱ってくださいということ。そのためには普段の[叱る]にメリハリが大事なんだそうです。
特に幼少期は、「相手の立場」を表現しながら叱るを心がけていました。
花瓶をなげた場合、「花瓶が痛いって言ってよ、大変だね。投げたら嫌だね」という具合に擬人化させて、この行動が「嫌だね」ということを伝える。
対人の中に原因があるとしたら、当事者と蹴られてしまった子の手をとってあげて、「○○ちゃん、蹴られてお腹痛いんだって」介入してあげてください。
泣いたり、困っている相手になんでこんな事をしたの!と問いつめる前に、蹴られて痛かった相手の状態をじっくりみて、相手の表情や辛さを介入(通訳)してあげる。(表情の読み取りも弱い子が多いのでそのトレーニングにもなります。)
その後で、手をあげるという行為には、それを表現したかった「言葉」があるわけですから、その「ことば」を代弁したり、こんな風に伝えようねと、一緒に練習してみてください。
小学生向けの指南本になれば、深呼吸して落ち着く、その場を離れる、絵で説明するがありますが、手をあげてしまう先にあるものとの関係性を幼少期からじっくりやってあげると、その後のアンガーマネジメント(怒りの配分コントロール)が随分違ってきます。
ですから、保護者も問題行動をすべて正さないといけないという配分になると、心落ち着くところがないですよね。客観性を持たせてください。ここまでは見守ろう、ここはしっかり怒ろう!毎日母親を叩く場合は、「痛いよ。いやだな」を伝え続けてくださいね。その後は、「次たたいたら、お母さんは我慢できないよ」などの警告や問題行動が終えてくれた後の褒めるも忘れないでください。コモンセンスペアレントトレーニングもおすすめです。(私もトレーナーです)沖縄でもセミナー実施している方がいます。是非勉強してみてください。
例えば、上記は騙し絵の一つですが、左側は泣いている女の人、右側へいけば男の人の顔にも見えます。でも、左から2番目ですでに男の人の顔に見える人もいて、一番右側でも、女の人に見える人はいるかも知れませんね。
実は見え方や感じ方は人によって違うことを教えてあげてもいいかも知れません。その人が上手といった事を嘘だと受け止めるのではなく、「どこの部分を上手と思ってくれたのか聞いてみたら?」「自分でどこが褒められている部分か考えてみた?」と質問してあげてもいいかもしれませんね。他者の多面的な見方の中に、自分では気がつけない自分の良さがあります。
もちろん悪さもあります。
ですから、人からいただいた声(特に良いこと)は疑う前に一度受け入れてみてはどうかなと提案してはどうでしょうか?褒められることに抵抗のある子は、自己のイメージと他人から伝えてもらったイメージにギャップを感じるのだと思います。
ですが「褒められることを受け入れる」「人と自分の見え方は違う」という2つから、練習してみてください。自己肯定感を育むための、自己受容のお手伝いをしてあげてくださいね。
学校側へ伝える時は、担任はもちろん、学年主任、管理職も含めて、共通認識があるほうがスムーズだと思います。
学校側のヒアリングも大事です。実際に当事者の子がいる学級では、こちらがお願いしたことが、やれる環境にあるのか。先生の意識がどのぐらいあるかを知ることで、要求の度合いも変わってくるかと思います。まずは、互いの出来る事を確認していきましょう。
講演会でもお話しましたが、それには保護者のビジョンが必要です。
我が家ではこうして育ていきたい。何に困っているからこうして欲しい。具体的な対応方法も親が持っているのならそれも伝えてください。懸念事項でも構いません。
そういった事を、先生と保護者で作成する「個別指導計画書」というものがあります。主に学校の教科学習や指導方法に関することですが、学校の組織的な実践に必要になります。
指導計画書の作成と活用をお願いしてみてもいいと思います。(支援学級の生徒が作成優先だったり、実際に作成されても活用されていないという厳しい現実もあります。)
先生と共通認識が出来たら、学級の子どもたちへの説明です。お母さんが授業の中で時間をもらい、先生と立ち会いの元、当事者の説明を行っている場合が多いです。
診断名を伝えるのではなく、特性にどう寄りそうか(苦手なことが起こった場合の対応の方法)を教えてあげてください。少しずつゆっくりではあるが、必ず出来るようになるので、どうか応援して欲しいと子どもたちにお願いしてみてください。
子どもが高学年になると、当事者の子が説明を嫌がる場合もあります。その時は、先生から学級のみんなに説明の時間が必要だと思います。
学級の保護者も同様で、診断名を伝えると、丁寧な説明ができない場合はそれが一人歩きしてしまうことがあります。お子さんが告知前の場合、その説明を、保護者がお子さんに安易に伝えてしまい、学級の子どもたちから当事者へ告知されてしまうケースがあります。(障がいなの?病気なの?お母さんが保護者会で聞いたって!)ですから、保護者へのお願いとしては、くれぐれも子どもたちに診断名ではなく、特性に対する関わり方だけを伝えるように約束してもらってください。
当事者への告知は、個人の状況によって大きく違いがあるので、ここでお伝えするのは控えますが、私が息子へ告知が出来る状況としては、自己肯定感の基盤がある程度できてからでした。(小学校1年生の時、彼は自分が嫌いでした)
出来るようになった事が増え、自分と周囲が力を合わせて、たくさんの困難を乗り越えた自負があり、また、たくさんの失敗の先には成功が待っていることを信じる気持ちが芽生えましたし、自分が好きだと言うようになりました。エジソンや発達系の成功モデルも知識として知ってもらいました。世界で活躍する人は「絶対無理」と言って自分の可能性を諦めないことを伝えています。
毎日絶えず、あなたは必要な存在で生まれてきて、母さんはそれに感謝しあなたの事を誇りに思っていること。そして、お父さんとお母さんの子どもだから、必ずあなたは大丈夫だよという、我が家流の呪文を伝えています。自己肯定感を高める呪文は、それぞれのご家庭で用意してください。告知のタイミングは専門の方と相談してみてください。